現役議員に人権侵害の認定
2023年9月20日、札幌法務局は、自民党の杉田水脈衆議院議員に対し、2016年、杉田水脈衆議院議員が自身のブログなどで行ったアイヌ民族に関する投稿に対し、人権侵害にあたると認定し、杉田議員側にアイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行ったことが分かりました。
問題とされた書込みとは
報道によると、人権侵害と認定された発言は認定対象は、2016年にスイスで開かれた国連女性差別撤廃委員会の参加者について
「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」
「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」
と書き込んだブログやツイッター(現X)の投稿など計3件とされています
既に該当の書込みは削除されているため、前後の文章の確認はできませんでした。
杉田 水脈 (すぎた みお)議員の略歴
杉田 水脈 (すぎた みお)議員の 公式ホームページ > プロフィール 他によると
1990年:大学卒業後、積水ハウス入社(2年勤務)
1992年:西宮市役所入所(18年勤務)
2010年:政治の道を目指すために退職→同年10月、みんなの党兵庫6区支部長に就任
2012年:第46回衆議院比例代表近畿ブロックで当選(日本維新の会公認)
2014年:次世代の党(2015年”日本のこころを大切にする党”に党名変更)に参加
同年12月、次世代の党から出馬した第47回衆議院選は落選
2017年:第48回衆議院比例代表中国ブロックで当選(自由民主党公認)
問題のブログは2016年で、議員落選中(=失職中)に書かれたものです。
調べていて驚きましたが、議員ではない、いわば一般の方が「国連女性差別撤廃委員会」に参加できるんですね、てっきり議員として出席した会議だと思っていました。
札幌アイヌ協会の多原氏が法務局、人権相談窓口へ相談
札幌アイヌ協会 の多原良子氏が札幌法務局へ救済を求めた結果、「人権侵犯の事実があった」と認定し、議員に対し「アイヌ文化を学ぶよう」求めたといいます。
法務局では人権相談窓口を設けていて、セクハラ、パワハラ、いじめ、インターネットでの誹謗中傷などの相談ができるそうです。相談の受領後、職員又は人権擁護委員が調査を行い、人権侵害が認められるかを判断、必要に応じ適切な「措置」を取ります。
救済措置内容は、援助、調整、要請、通告、啓発などがあり、刑事訴訟法の規定による告発も行うようです。報道の内容から杉田議員には「啓発(事件の関係者や地域に対し、人権尊重に対する理解を深めるための働きかけを行います)」が行われたものと思われます。
また、いつ多原良子氏が相談をしたのかが不明ですが、書込みが2016年と7年前のものであることから、刑事や民事でのいわゆる「時効」は関係なく相談が出来るようですね。実際これらの救済措置には法的拘束力はありません。
杉田議員の反応
取材に対し、杉田議員の事務所は「法務省の職員が来たのは事実」としていますが、認定については「ノーコメント」と回答しています。また、マスコミが大々的に報道している事について杉田議員は「非公開の案件について申し立てた方々がマスコミに説明しているのも解せませんが」と、疑問を呈しています。
また興味深い考察をしている動画を見つけました、表層的にはやたらマスコミに叩かれている議員さんがいるなぁという印象でしたが、奥が深い問題でもありそうです。